ニック先生最後の晩餐~三種町herberry晩餐編~

ニックと最後の晩餐を共にするべく三種町の農園りすとらんて herberry(ハーベリー)に向かいました。

──今回はハーベリーさんでディナーをご一緒したいと思います。

ハーベリーには一度来た事あるけど、料理も地元産のものを使っていたりして、すごくユニークな感じがする。

──聞いたところによると今日はニックのためのスペシャルコースみたいですよ。

おーそれはすごい!Maide in MITANE、完全に三種町産のモノを期待したいね。

それではさっそく行ってみましょう!

あ、もうお店の方が出迎えてくれてるよ。さっそく入ろう。

──お邪魔します。

店内もなかなかいい雰囲気ですよね。

珍しいお皿もあるよ!日本ではあまり見かけないお皿らしいね。

こだわりのティーカップ選び

あ、ちょっと良いですか。

ハーベリーではね。自分で好きなティーカップを選んで、それを最後のデザートの時に使う事が出来るんだ。

──へーこの中からカップを選べるんですね。

しかもね。このカップは季節によってコレクションが変わります。今日は夏のバージョンですね。

私は今回このカップにしようかな。

店主の山本さん「それはクシュケ。キューピットに恋した女の子がクシュケ

えーっと・・・それは特にどんな意味があるか分からないけど、デザインが面白いと思って選んだ。恋がやって来るかな・・・。

──お、ニックも三種町でそういう出会いあったの?

あー・・・

──・・・あ、そうだ私のカップも選ぼうと思いますが・・・ここはニックが代わりに選んでよ。

お!そうですか。それじゃあ、あなたのような人は・・・

コレかな。私のカップと色を合わせてみたよ。セットのようだね。

──色も合っていていいね。

いいでしょ?それじゃこのカップでお願いします。

まずは飲みモノを選びましょう。

──これは食後の飲み物ですか?

店主の山本さん「食後の飲みモノと食事と一緒に飲むモノですね」

──なるほど。それじゃどんな飲み物があるのか、メニューを見てみよう。

──・・・ってこれ全部英語ですね(笑)。どうしようかな。パッと見てCoffeeとTeaぐらいしか分からないな。

店主の山本さん「ハーブティーはどうですか?おすすめですよ」

──それじゃコーヒーで・・・とは言いにくいので、ハーブティーでお願いします。

──それで食事と一緒にいただく飲み物を選ばないといけないけど・・・

そうですね。三種町ならでは食材を使った飲み物があればそれをいただきたいと思います。

店主の山本さん「琴丘の梅。今漬けてるから、これをサンペレグリノで割ってお出ししますね」

是非それでお願いします。

──こういうイレギュラーな注文にも柔軟に対応してくれるお店ってカッコいいな。

Simmered Tender Octopus Salad

──お、さっそく一皿目のサラダきましたね。

食べていいの?

──いいですよ。ニック、初の食リポお願いします。

タコが入っていて見た目さわやかな感じのサラダですね。さっそくいただきます。

──どうでしょうか?

タコがすごく柔らかいね。海外ではタコってこういう形であまり食べないんだよ。普段食べるとしたら揚げモノとして食べる事がありますよ。こうやってサラダとして食べることはなかなか珍しいけど、食感も面白くておいしいね。

店主の山本さん「そのタコは1時間煮るんですよ。玉ねぎとかニンジンとか、あとはハーブとか入れて沸騰させないようにゆっくり煮るんですよ」

──1時間も!それでこの柔らかさが出るんですね。サラダとはいえ手間かかってます。さすがハーベリーさん。

そしてこれが琴丘の梅を使ったジュースですね。見た目は水のように透明ですね。

あー本当に・・これは・・なんというか・・・

梅がうめぇー(梅ぇー)です。

──どうしたんですか急に(笑)

まぁ、みんなを楽しませたいからね(笑)

味はね、これはお酒じゃないけど梅酒みたいな感じだね。甘さは控えめで料理を邪魔しない感じ。

Potage of Fava Beans

──次は琴丘産のそら豆を使ったポタージュスープですね。どんな味がするのか楽しみです。

うん。まずこれは温かいポータージュ。口当たりも滑らかで確かに豆の味がしますね。コーンポタージュよりも軽いような印象を受けるね。美味しいですね。

ポタージュ作った事ある?

──急に振ってきたね(笑)・・・すいません。作った事ないですね。

私もたまに料理はするけどね。流石にポタージュは作った事ないよ。

ポタージュで思い出したけど、一年目の思い出。自分で全然料理が出来なくてインスタントばかり食べてたんだけども。色々なインスタント中でもポタージュのインスタントが一番美味しかったよ。

──確かにここのポータージュとは別物だけど、インスタントのポタージュもおいしいよね。料理は一人暮らし初めてから始めたの?

そうだね。だからはじめは体も崩れてきて大変だったね。

──違う国で一人暮らしはなかなか初め苦労しそうだね。

苦労ってほどではないけど、色々と大変だったのは確かですね。でも、そのうち自分で料理をするようになって体も元に戻ってきたよ。5キロぐらい痩せたと思う。

──5キロはすごいですね。インスタントって手軽だからつい手が出ちゃうけど、食べ過ぎは注意だね。

自分の体を考えるとやっぱり自炊がいいと思うよ。新鮮な三種町産の食材を使ってね。

Putty de Campagne

──次の料理が来ましたね。

お肉ですか?

店主の山本さん「三種町にあるかわい農場のお肉を使っています。ブランデーとか白ワインとか色々入っているので複雑な味がすると思いますよ」

見た目も美術みたいですね。カラーアレンジとか、すごい細かいところまで気を使って作っているのだと思いますね。

では、食べてみましょうか。

──どうでしょうか?

さっき複雑な味と言ってましたが、すべての材料と合わせたら調和して一つのとってもおいしい味になりますよ。上にも洋風マスタードがかけられていて良いアクセントになっていると思います。

──パテは海外でも食べますか?

あんまり食べないけど、今日みたいな形でコース料理にはよく出るよ。

──そんな料理がこの三種町でも食べられるってなんだか不思議な感じがするね。

海外でもわざわざ外食しないと食べれないからね。今日はホントに特別なメニューを用意してくれたみたいだね。

──ちなみに、このパテにはかわい農場のお肉が使われていますが、ニックは行った事ある?

行ったことはないけど、何回か通ったことはありますよ。こっちにいる間に色々なところを回ったからね。

そうですね。ニックはALTとして琴丘、八竜、山本すべての地区を回ってたから、大抵の場所は通ってるよね。

──あ、美味しい料理次から次と出てきて聞くの忘れるところだったけど・・・ニックはなんで三種町を離れる事になったの?

そうだね。私は東京の大学の大学院に行きます。

──すごい!学生になるんだね。

そうです。大学院で研究するために東京に行くことになったのです。

──なんでまた東京の大学に行こうと思ったんですか?

うーん・・・きっかけは色々あるけど、三種町に三年間住んでいて大きな社会問題に興味を持つようになりました。

──社会問題ですか。

はい。それは所得格差の問題です。

──あーそれは今世界的にも問題になっているよね。

お金持ちと貧乏の差が広がって、だんだん大きな問題に発展しつつあるよね。実際にテロとかもあって世界情勢も不安定になっているしね。

──なるほど。それではその社会問題の研究をする為に東京の大学に進学するんですね。

ところで、ピスタチオは抹茶とよく合うよ。知ってる?ピスタチオと抹茶を合わせてなんか・・・美味しいケーキを作れるよ。

──へーそうなんだ。 (急にピスタチオの話!?)

あと、ピスタチオは粉まで潰すとすごく美味しいよ。

──それも知らなかった。今度潰して食べてみるよ。

Junsai al Ajillo

奥さん「はい!じゅんさいでーす」

うぉ!

──ついに来ましたね。三種町名物じゅんさい。

奥さん「パンと一緒に食べてみてください

え?パンと一緒にですか。新しいスタイルですね。

これはじゅんさいのアヒージョですね。

──まさかアヒージョの形で出てくるとは思いませんでした。

それでは早速試してみましょうか。

あ、ちょっとピリっと辛いね。でもうまいよ。

──オリーブオイルの他に何か入っているのかな。じゅんさいの触感とかはどうですか?

食感はじゅんさいの不思議な感触とパンの感触と合わさっていて面白い。あと、じゅんさいの他にエビも入っているね。

──アヒージョっていうのは、オリーブオイルですかね。

オリーブオイルが入っているからパンと良く合うんだね。

うん。じゅんさいは万能だから何でも合うんだね。

──そういえば、さっきニック、じゅんさいでお酒作りたいって話していたね。

じゅんさいは何か、もったいないと思うところがあるよ。こんなに美味しいのになぜお酒として楽しめないのか。残念に思っているよ。

──じゅんさいの可能性は無限大だからね。いつかお酒を開発する人が現れるかも知れませんね。

そんな人がいたら是非会ってみたいね。

──東京に行ったらじゅんさい無しの生活になっちゃうね。

そうだね。三種町にいたらじゅんさいは給食にも出て身近なものだったけど、東京に行ったらじゅんさいを出すお店を探さないといけないな。

──俗に言うじゅんさいロスだね。

あったとしても値段が高そうだね。

──あー向こうでは高級品だからね。

実はフランスでもじゅんさいが売っているお店があるんだけど・・・

──え!フランスでも売ってるんだ!

そう。でもね、値段は三種町の6倍くらいするよ。

──うわぁ・・・でも海外だとそうなっちゃうよね。

だから、たくさんじゅんさいを採ってフランスに持って行くと・・・すごい貿易になりますよね。

──俗に言うじゅんさいドリームだね。あ、みたねーしょんでもじゅんさい料理を作った事があるよ。

そうなんだ。どんな料理?

──じゅんさいボールというのを開発しましたね。

は?それはどういう事ですか?

──まぁ言ってみればタコ焼きの中にじゅんさいを入れてみたっていう・・・

ブッハァッ!(笑)

・・・ま、良く考えるとアリじゃないか。

初めて聞いた時は、ちょっとパニックだったけど少し考えたらまぁアリかなと思えてきたよ。ちなみに作り方は?

──タコの代わりじゅんさいを入れるだけなんですけど。

えーっと・・・HaHaHa。

── HaHaHa。

※参考資料:じゅんさいボールの作り方(pdfファイル)

Raspberry Jelly

奥さん「五城目のラズベリーです」

──おー!五城目産!

これはコース料理ですから口を回復させる為のものじゃないかな?

──口を回復させる?口直しって事ですかね。

あ、それだと思うよ。

──ちなみに口直しを英語で言うと?

pallet cleanser」と呼ばれているね。口の中はpalletcleanserは洗うという意味です。それをチョット合わせると

──へー。なんか急にみたね英会話講座みたいになってきたね。

それじゃcleanserしましょうか。

おお酸っぱいけど・・・丁度いいです。わぁ五城目の味ですね。 冷たくてホントに美味しい。

Cold Cappelline With Smoked Bonito

──次の料理が来ましたね。

カツオの冷製パスタみたいだけど、食べないことには味は分からないよね。

──それじゃ早速いっちゃってください。

おっと、パスタだからフォークだね。今年冷やし中華麺を食べ過ぎたからパスタの適切な食べ方を忘れてしまったよ。

こういう感じですね。

──ちょっとそれ多くないですか(笑)

大丈夫です。このままいきます。

・・・・とてもおいしいです。

──どんな味ですか?

ホントに洋食。イタリア風ですね。

──なるほど。私もいただこうかな・・・

──うぉ!これめちゃくちゃ美味しい。いやこれは驚きました。

美味しいよね。あ、でもねカツオも入っているから和風なところもあるかな。

──確かにそうですね。和と洋の融合みたいな感じする。

あ、ちょっとこのカツオで思い出したのですけど、初めてクジラを食べた事を思い出したよ。

──クジラ?それは三種町で?

そういえば三種町でね。とても優しい前の家のオーナーさんが食べさせてくれたんだけど、クジラって美味しいね。

──そういう体験も料理を食べなら思い出せるから良いよね。でも、カツオを食べてクジラの話なかなか出てこないけどね。

そうだね(笑)

Grilled Pork Loin with Genovese Sauce

来ました!かわい農場産の豚です!

──ポークソテーですね。ジェノベーゼソースもかかってるよ。

それでは早速・・・あ、柔らかいね。 味はお肉の甘味を感じるくらいだね。

──聞いてるだけで美味しそうだね。

このバジルのソースと良く合っているね。あとこのお肉はね。中はさっき言ったみたいに柔らかいけど、外は香ばしく焼かれてクリスピーな感じですよ。

──外は香ばしくて、中は柔らかいってモノにハズレはないから。間違いなく美味しいヤツです。思ったけど、ニックって食リポ上手いよね。

え、そうですか。ありがとうございます。

──この短時間で、少なくともしまだよりはうまくなってるよ。しまだくんクリスピーとか言わないですからね。

でもしまださんは色々なお店行った経験があるからね。私よりも色々な事を知ってると思うよ。

──うーん。そうかな・・・

──いや、そうでもないよ。

えーウソでしょ・・・ホントに?

──うん。

Home-grown Blueberry Cheese Cake

──お!最後のデザートが来ましたよ。

おー八竜産のメロンも添えられているね。すごく美味しそうです。

──ちなみにこの上に乗っているブルーベリーもハーベリーさんで採れた自家製という事です。

ホントに?すごいね。すごいこだわっている感じがするよ。

──それじゃ食べちゃってください。

うーん。まずブルーベリーがハッキリと感じられるよ。

メロンと一緒に食べても美味しいね。

すごく柔らかいチーズケーキで触感もとても良いね。

──あ、最初に選んだカップも来たね。

このカモミールティーも美味しいね。なんかすごくホッとする味。

──ニックは東京の大学を卒業してからはどうするの?

色々と考えてるけど、仕事次第ですね。イギリスに帰って働く可能性もあるね。

──ニックが研究する事って社会問題だから、どの国でも通用しそうな気はするけどな。

そうだね。でも海外で働くにしても日本で働くにしても、海外と日本の架け橋になれたらと思うよ。どちらの道に進んでもそれは変わらないね。

──それはすごく良いことだね。すごくニックはしっかりしてるなー。

ありがとう。あとは、三種町を離れても地域の活動に参加したいと思ってるよ。

──それは素晴らしいね。私たちもそう言ってもらえるとありがたいよ。

マッスルしまだみたいな事でもなんでもやるから声かけてくださいね。

──みたね英会話講座も存続していきたいね。

そうですね。こういう活動のおかげで三種町の生活も楽しくなったからね。是非よろしくお願いします。

──こちらこそ!

──色々と聞いてきたけど、三種町に来て印象に残っている事は他にありますか?

えーっと・・・ドラゴンセンターに初めて行った時の事は印象に残っていますね。

地域の野菜とか家で採れたものがセンターに集まっているのはすごい事だと思います。そこで売っているものも全部美味しくて、とても印象に残っているよ。

あとはじゅんさいを初めて食べた時の事かな。今でも昨日のように思い出すよ。

──やっぱり食べ物の事って記憶にすごい残るよね。

特にじゅんさいを食べた時あー幸せだって思ったからね。

──出会いの瞬間からじゅんさい愛溢れでてるね。

そうだね。ホントに美味しいと思ったからね。

──東京に行くニックにとってはじゅんさいって特別なモノだよね。三種町を思い出せる装置というかそういうモノ。

そうかもしれませんね。あと、今日も特別ですよ。こんな美味しい料理を食べて・・・忘れられないね。ありがとう。ご馳走様でした。

ご馳走様でした。本当に美味しかったです。

店主の山本さん「お元気で。また機会があったら寄ってください」

奥さん「今日はね、タオルがすごくに似合って素敵でした

ありがとうございます。

それじゃ!

See you again!

ニック先生からのメッセージ